当院ではこのたび、日本で初めて承認された整形外科におけるロボティックアーム手術支援システム「Makoシステム」を導入し、2021年11月5日から、人工股関節全置換および人工膝関節全置換の手術を保険診療で行っていただけることになりました。
同システムの導入は宮崎県では当院が初となり九州では5番目となります。 ロボティックアームとは、一般に「人の手の代わりに作業を行う機械の腕(アーム)」のことで、自動で動くものや人が操作して動かすものなどがあります。
このたび当院で導入したロボティックアームは、術中に医師が操作をして動かすもので、人工関節を設置する際に傷んだ骨を削るために使われます。ロボティックアームは、治療計画にない部位にさしかかると止まる仕組みになっており、計画外の動きを制御することで、安全かつ正確な手術を可能にします。 これまでの研究において、ロボティックアームを用いて人工関節全置換術を行うと、人工関節の設置精度の向上(*1. 2)が認められ、さらに人工股関節全置換術では術後の脱臼率の低減(*3)、人工膝関節全置換術では疼痛の低減(*4)などのメリットが期待できるとの結果が出ています。
変形性股関節症や変形性膝関節症などで悩む患者さんが、人工関節全置換手術後、健康的な生活を送っていただけるよう、当院では今後積極的にロボティックアームを用いた手術を行ってまいります。
■本件に関するお問い合わせ先
医療法人社団橘会 橘病院
事務部 野口
Tel:0986-23-7236
≪人工関節手術ロボット支援システム稼働実績≫
● 膝関節 275例
● 股関節 201例
※令和5年11月8日時点
- Domb, B. G. et al. Accuracy of Component Positioning in 1980 Total Hip Arthroplasties: A Comparative Analysis by Surgical Technique and Mode of Guidance. J. Arthroplasty 30, 2208–18 (2015).
- Hampp EL, et al, Robotic-Arm Assisted Total Knee Arthroplasty Demonstrated Greater Accuracy and Precision to Plan Compared with Manual Techniques., The Journal of Knee Surgery. 32(3), 239-250 (2019).
- Illgen, R. L. et al. Robotic-Assisted Total Hip Arthroplasty: Outcomes at Minimum Two-Year Follow-Up. Surg. Technol. Int. 30, 365–372 (2017).
- Marchand RD, et al. Patient Satisfaction Outcomes after Robotic Arm-Assisted Total Knee Arthroplasty: A Short Term Evaluation. The Journal of Knee Surgery. 30, 849-853 (2017)
写真提供:日本ストライカー株式会社
動画解説
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関連リーフレット
先進テクノロジーロボティックアームを使用した「人工股関節置換術」
(407KB) |
先進テクノロジーロボティックアームを使用した「人工膝関節置換術」
(393KB) |
ロボティックアームは、より安全に手術ができるよう医師を支援するものです。
この治療は保険診療で受けることができます。詳しくは当院整形外科医師にお尋ねください。